Ⅰ 取り組みの経緯(国と県の動き)

 富士見町内の山中に自生しているアツモリソウとホテイアツモリは、その希少 価値の高さのために、乱獲や盗掘されることが多く、また野生動物の食害や気候変動の影響により、絶滅の 危機にさらされてきました。


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   このような経緯により、国、長野県、そして富士見町によ るアツモリソウ、ホテイアツモリを保護する取り組みが始まり、国は平成9年に「絶 滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に基づいて、アツモリソウと ホテイアツモリを国内希少野生動植物種および特定国内希少野生動植物種に指定しました。
 長野県でも平成15年に「長野県希少野生動植物保護条例」に基づいて、特別指定希 少野生動植物として、アツモリソウとホテイアツモリをそれぞれ指定しました。また 平成21年には、「ホテイアツモリ保護回復事業計画」、平成25年には「アツモリソウ 保護回復事業計画」を策定し、本格的な保護に取り組んでいます。


Ⅱ 富士見町アツモリソウ再生会議

 富士見町では、平成18年4月、アツモリソウの保全再生を目的に「富士見町アツモリ ソウ再生会議」を設置し、平成19年5月には「富士見町のアツモリソウ保護条例」を制 定し、本格的な保護への取り組みが始まりました。

   この条例に基づき、平成21年度には、「富士見町アツモリソウ 保護計画(平成22~31年度)」を策定し、保護に関する取り組みを包括的かつ計画的に推進 する体制を組んできました。


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   地元住民、行政、民間企業、教育機関、有識者といったさまざま な人々によって成り立っており、とりわけ保護・再生をおこなううえで、民間企業 (株式会社ニチレイ)の技術支援と財政支援が重要となっています。

   また、ニチレイは、長野県、富士見町、と「生物多様性保全 パートナーシップ協定」を締結し、ホテイアツモリとその変種であるアツモリソウの 保全再生に必要な技術提供、活動に必要な経費の一部を支援しています。


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今日のアツモリソウ 8/3


Pさん購入の幼苗の順化後 苗らしくなってきました

幼苗


Pさん購入の3,000円苗 順調に成長中

幼苗


Ⅲ 活動の3つの柱と遺伝資源保存事業

1 自生地の保護(生育域内保全)
 平成18年に自生個体が確認されたが、絶滅の危険性が高い状況で、富士見町では 「富士見町アツモリソウの里環境保全事業」を開始しました。これを基盤として、下 記のような活動を続けています。



a. 監視活動
   盗掘から守ることを目的として、声がけ・チラシなどによる周知及び巡回パトロール、 また監視カメラ設置による監視を行います。

b. 大型草食獣対策
 ニホンジカによる食害やイノシシ等による踏みつけを防止することを目的として、 防獣ネットや柵を設置しました。土砂崩落や大雪などにより傷むため、常にメンテナンスが必要 です。またメンテナンスをしていても、シカは隙間を見つけて中に入ってしまうため、 個別の株単位をネットで囲う対策も実施しています。

c. 土砂崩落・流出対策
 山中奥深くの急な斜面では、気候変動による集中豪雨などの影響もあって、地形的 に比較的頻繁に土砂崩落が起き、アツモリソウの生育が脅かされまています。土砂崩落防止のため、 自生株の周囲に土嚢積や石積を実施し保護します。もし崩れ落ちた株があった場合、 国と長野県の許可を得て、安全な場所に移植するという大変な作業をしています。

d.生育環境の改善
 環境調査結果によりアツモリソウの生育に必要な照度が林床に足りないことが分かっ たため、上層で光を遮断している樹木の整備や枝打ちも実施しています。

2 生育環境調査と実験植物園の整備(生育域外保全)
   アツモリソウの咲く里山再生を目的として、アツモリソウの 生育環境を把握するため実験植物園を整備し、管理を進めるうえで町内の小中学校、 高校の生徒や住民の参加を図り、環境・社会教育の場とします。

 平成21年度より富士見町に数カ所実験植物園を整備し、栽培個体を親とする無菌培養苗及び栽培個体より 株分けした親株の植栽を開始しています。

 平成23年度からは、湿度条件の良い湿原下の林内にも植栽をしたり、自生地と似たような 環境に植栽をしました。3年後には花が見られるようになり、皆さんに 観察してもらえましたが、その後、減少または枯死してしまいました。

 ホテイアツモリは、元来栽培が難しいとされている植物で、開花まで育つ株は1,000株に 1株とも言われており、実際に実験植物園でも生存率は1~2%台と大変低い状況です。 今後は自生地の温度や湿度条件により近い環境への植栽を研究していくほか、植栽方法の 工夫・用土の改善も含めて、検討していきたいと考えております。

3 試験的販売と販売品目としての定着(生育域外保全)
   本事業は、人工培養増殖によりホテイアツモリを増殖し、販売品目として定着を図ることで 希少性を緩和させ、自生個体の盗掘などを根絶させることを目的としています。

   ホテイアツモリが、身近な園芸品になって、おてもとで、花を見られるようになれば、 本当に喜ばしいことです。

※その他の活動
 遺伝資源保存事業として、特定国内希少野生動植物種に指定されたホテイアツモリ の遺伝資源の保護を目的として、自生地において人工交配、及び野生ホテイアツモ リの種子の無菌培養、自生地への播種等を実施しております。

   種子の播取にあたっては、環境省及び農林水産省、長野県の許可を得て実施しています。



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